男性は、「その道を2、3キロ進んで、南南西に曲がる」と説明する(そういう男を私は知っている)。
ではほんとうのところ、こうした性差はどこから来ているのか?数学の授業では、女子より男子のほうが答える回数が多いのか?男の子と女の子の脳は、分子構造の異なるホルモンで作られる以上、最初からまるで別物なのか?細部に異論はあるものの、脳のなかに男女で異なる領域、つまり性的2型が存在することは研究者も認めている。
たとえば視床下部のいくつかの場所、性行動に関係するところとか、何をしているのかよくわからないところ、は男性の脳のほうが明らかに大きい、そうかと思うと、左右の大脳半球を連絡する神経線維の束は、女性のほうが太い。
男が性に積極的なことや、女は「全脳」思考だと言われるのは、そのせいだろうか。
脳スキャンで観察してみると、女性は韻を踏むとき左右両方の脳を使っているが、男性は片側しか活発になっていない。
また脳卒中にやられたあと、女性のほうが回復ぶりが著しいというデータもある。
それは左右を連絡する神経線維がたくさんあって、修繕に両方の脳を動員できるためだろうか。
J・Gは数年前、思春期の脳で性的2型をいくつか発見した。
成長途上にある脳で見つかったのははじめてのことだ。
そのひとつが扇桃で、これは脳の真ん中にある脳細胞の小さな塊だ。
馬桃は「何だと表へ出ろ!」といった本能的な衝動を起こすところだが、テストステロンの受容体がたくさんあることでも知られる。
思春期の扇桃は、女の子より男の子のほうが成長が速い。
男の子は6年生ぐらいから、けんかをしては鼻血をよく出すようになるが、それも馬桃の成長と関係あるかもしいっぽうある種の記憶を形成し、エストロゲン受容体がある海馬は、女の子のほうが速く成長する。
だから6年生の女の子は、単語のつづりを覚えるのが得意なのだ。
しかし性的2型が最も極端だったのは、首のいちばん上あたりにある原始的な小脳で、男の子は女の子より14パーセントも大きかった。
また双子を対象にした研究から、運動とか、ある種の社会的認知をつかさどる小脳は、遺伝にほとんど左右されない器官であることもわかった。
要するに小脳は、内外のさまざまな作用で形づくられるのである。
「あくまで推測だが」とGは語る。
「進化の過程で、狩りをしたり、槍を投げたりといった、小脳がかかわっているあらゆる空間的な技能は、男のほうが発達させる必要に迫られていたのだろう」多くの神経科学者の例にもれず、Gもまた、脳の大小は何らかの意味をもっと考える。
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